女子卓球レーティング

囲碁将棋などで有名な実力計算方式である"イロレーティング"を卓球に応用し、ITTFランキングでは測れない「実力」を試算しました。イロレーティングをもとに、トーナメントドローに応じたモンテカルロシミュレーションを加えた勝敗予想を提供します。さらにイロレーティングを超える「AIレーティング」を開発しています。

女子卓球・ドイツオープン優勝オッズ【イロレーティング】

調子良いイロレーティングを使って2回戦の勝敗を予測します。

PlayerA PlayerX 勝率 勝者
陳夢 馮天薇 87% 陳夢
佐藤瞳 SHAN Xiaona ^ 69% 佐藤瞳
石川佳純 YANG Xiaoxin ^ 69% 石川佳純
QIAN Tianyi 伊藤美誠 38% 伊藤美誠
孫穎莎 VOROBEVA Olga 93% 孫穎莎
陳幸同 加藤美優 67% 陳幸同
王芸迪 ZHANG Rui 66% 王芸迪
田志希 王曼昱 21% 王曼昱

おや、2回戦は全て公式ランキング通りの勝敗予測となりました。

これだけでは面白く無いので優勝確率とオッズを求めてみました。イロレーティングがあると、こんなことも簡単にできるようになります。

名前 レーティング 優勝確率 オッズ
陳夢 1975 37% 2.7
孫穎莎 1934 23% 4.3
王曼昱 1913 16% 6.4
伊藤美誠 1794 5% 19.3
王芸迪 1812 5% 21.5
陳幸同 1804 4% 23.5
石川佳純 1777 4% 23.5
QIAN Tianyi 1713 1% 69.0
佐藤瞳 1667 1% 78.1
ZHANG Rui 1694 1% 142.9
加藤美優 1681 1% 172.4
田志希 1678 1% 188.7
馮天薇 1647 0% 250.0
YANG Xiaoxin ^ 1641 0% 277.8
SHAN Xiaona ^ 1532 0% 1666.7
VOROBEVA Olga 1485 0% 5000.0

オッズ計算には、モンテカルロ法を用いています。本来、優勝確率を正確に計算するには、残り全15試合の勝敗パターンの確率を全て計算する必要があります。しかし、パターンは2^15=32768存在し、それぞれの計算も面倒です。そこで、各試合で乱数を用いてイロレーティング差に応じた確率で勝者を決め、優勝決定までそれを繰り返します。その試行を1万回行い、各選手の優勝した確率を、近似的に用いることにします。この方法は、よい近似になることが知られており、モンテカルロ法という名前がついています。特に1回戦から計算する場合、パターンは2^31=約21億もあり、力技の計算は不可能になってきます。そういった場合、モンテカルロ法が効果を発揮します。

結果は、イロレーティングに概ね沿ったものになっていますが、一部逆転現象が起こっています。これは、モンテカルロ法の誤差ではなく、トーナメント組み合わせの有利不利が現れているものと思います。伊藤選手が組み合わせに恵まれたようですね。セミファイナル進出が濃厚です。