女子卓球レーティング

囲碁将棋などで有名な実力計算方式である"イロレーティング"を卓球に応用し、ITTFランキングでは測れない「実力」を試算しました。イロレーティングをもとに、トーナメントドローに応じたモンテカルロシミュレーションを加えた勝敗予想を提供します。さらにイロレーティングを超える「AIレーティング」を開発しています。

イロレーティングとランキング・どちらが勝敗を正確に予想できるか

イロレーティングとランキングとで、どちらが勝敗を正確に予想できるか確認してみました。

ITTFのランキングページが1月初めにリニューアル後、しばらくバグがあり、2018年10月のランキング一覧のcsvダウンロードが機能していませんでした。先日それが修正され、やっと過去のランキング表を揃えることができました。

これを使って、イロレーティング高低による勝敗予測と、ランキング高低による勝敗予測を行い、的中率を比較してみました。

年月 レーティング ランキング
2018-01 71% 76% -5%
2018-02 69% 66% 3%
2018-03 67% 62% 5%
2018-04 66% 69% -3%
2018-05 73% 68% 4%
2018-06 73% 72% 1%
2018-07 71% 69% 2%
2018-08 76% 68% 8%
2018-09 66% 65% 1%
2018-10 74% 60% 14%
2018-11 73% 71% 2%
2018-12 67% 59% 8%
2019-01 83% 77% 5%
2019-02 75% 65% 10%
2019-03 72% 66% 6%
2019-04 76% 72% 4%
2019-05 72% 62% 11%
2019-06 70% 65% 5%
2019-07 69% 62% 7%
2019-08 74% 63% 11%
2019-09 78% 73% 5%
2019-10 78% 62% 16%
2019-11 75% 66% 9%
2019-12 63% 63% 0%
2020-01 80% 71% 9%
平均 72% 67% 6%

イロレーティングは、ランキングと更新頻度を等しくするため、月初のものを1か月間固定で使うことにします。イロレーティングとしての有効試合の定義と、ランキングとしての有効試合の定義が異なるため、各月の有効試合数は必ずしも一致していません。2018年以降の2年間で、イロレーティングとしての有効試合は13,143試合、ランキングとしての有効試合は10,391試合ありました。

結果として、平均で約6ポイント差と、イロレーティングの方がかなり正確に勝敗を予測できることがわかりました。ランキング下克上試合が、全体の3分の1もあることがわかり、ちょっと驚きです。